湯村温泉病院 公式ブログ

咳喘息 甲府 湯村温泉病院

 [ 呼吸器科 ]

院長の高橋です。

気管支喘息の特徴として気道の「可逆性」「過敏性」「炎症」と述べてまいりました。
もうひとつ「リモデリング」を挙げていましたが、その説明の前に「咳喘息」のお話をさせていただきたいと思います。

咳喘息が初めて報告されたのは、1979年の New England Journal of Medicineという医学雑誌、とされています。その論文では、*喘鳴(ゼーゼーいう音)をみとめない、*気道過敏性は亢進している、*スパイロメーターで気道閉塞をみとめない、*気管支拡張剤が有効、といった特徴を有した、咳のみを症状とする6例の症例が報告されました。

以後、実は長引く咳のみを主訴にしているひとのなかに喘息が潜んでいるのでは、と考えられるようになりましたが、日本で咳喘息が一般的に知られるようになったのは、2010年皇后様が咳喘息、と報道されてからのように思います。この報道のあと、自ら「咳喘息ではないでしょうか」と心配されて外来にいらっしゃるかたが増えました。

以前のブログでお示ししましたが、一般の診療所で気道過敏性の評価は困難です。では、咳のみを症状とするかたが咳喘息なのかどうかどうやって診断してゆくのでしょうか。