湯村温泉病院 公式ブログ

気管支喘息 甲府 湯村温泉病院

 [ 呼吸器科 ]

院長の高橋です。

喘息を特徴づけるkeyword2 「気道過敏性」

気管支喘息のかたは寒冷刺激など軽度な刺激で気管支が収縮し発作がおきます。
この過敏性については慢性炎症のため気道上皮が障害され、知覚神経がむきだしになり、迷走神経(副交感神経)が興奮し、気管支が収縮する、などの理由が考えられています。

ちなみに気管支の収縮は自律神経(交感神経+副交感神経)によって司られており、副交感神経が強く働くと、気道の筋肉が収縮し、気道が狭くなります。通常交感神経は興奮しているとき、副交感神経はリラックスしているときに優位となるため、夜間身体がやすむときは副交感神経が優位になります。これが喘息発作が夜間に多い一因です。
治療に使う気管支拡張薬というのは、交感神経を刺激、もしくは副交感神経の興奮を抑えて気道を広げる薬です。

この気道過敏性を評価するためにアストグラフ法という方法があります。これはヒスタミン、アセチルコリンといった気道収縮を誘発する物質を吸入していただき、気道抵抗を調べる方法です。過敏性が亢進しているひとは、健常者より低濃度の気道誘発物質で、気道抵抗の上昇をみとめます。

残念ながら、当院ではアストグラフは困難です。まず特別な機械が必要です。また気道収縮を誘発するため、重篤な発作を引き起こす危険を伴います。実際一部の大学病院などごく限られた施設においてのみ、アストグラフは行われています。